荒い息を吐きながら、ずるずると壁伝いに崩れ落ちる。 床に尻を着くと、腹に出されたものがとろとろとシャワーで流されていった。 脱力して、開脚した状態でだらしなく足を投げ出しそうになったが、手で膝を引き寄せる事で何とかそれを回避する。 「イルカ先生の声、エロすぎでしょ…」 立っていたカカシがイルカの頭上で呟いた。 照明を遮って出来たカカシの影に入っているせいで、視界が暗い。 頭もぼんやりしていて、言われた意味がよくわからなかった。 イルカが黙っていると、カカシがしゃがみ込んできて視界に明るさが戻った。 しかし、その明るい視界の中で、一番イルカの目を引いたのは、カカシの股間にそびえ立っているものだった。 自分だって、今さっきカカシに解消されるまでは似たような状態だったのに、カカシがそうなっている事にひどく驚いた。 そうだ。 イルカは生徒の手によって射精させられてしまったのだ。 改めてその事実を突き付けられ、物凄い勢いで後悔の念が込み上げてきた。 なんて事をしてしまったのだろう。 取り返しの付かない事をしてしまった。 ここをどこだと思っているのだ、と自分を責める。 「感度も良いし…。どっかで仕込まれた…?」 何かを尋ねられている事はわかるのに、自分のした事があまりにもショックで、カカシの言葉が上手く頭に入ってこない。 自分はこんな事をするためにプールに来た訳ではなかったはずだ。 ちゃんと目的があって、大事な話があって、ここに来たのだ。 「イルカ先生、聞いてる?」 強い力ではなかったが、顔を挟まれて無理矢理カカシと視線を合わされた。 「は、はたけ君は…、将来の事をどう考えているんですかっ…」 まだ少し乱れた呼吸の合間に、ようやくそれを切り出す事が出来た。 これを言うまでに、随分と遠回りをしてしまった。 「えっ!それって結婚って事?そりゃあ、出来るもんならしたいけど…。オレも男だし…。だけどまだ告白もしてないのに、いきなりそんな」 さっと目元を赤くしたカカシが、焦ったように早口で捲くし立てた。 今のはイルカの聞き方が悪かったのかもしれない、と思ってもう一度言い直す。 「そうじゃなくて、進路の事です。大学でやりたい事とかあるんですか」 「えっ、大学?…まあ、そりぁありますよ。一番やりたいのはイルカ先生と大学ライフをエンジョイする事」 そう言いながら、カカシがイルカの足を左右に大きく押し広げてきた。 ぐいっと腰を引っ張られ、壁に凭れてやっと保っていた座り姿勢を簡単に崩される。 イルカの背中がタイルの床に着くと、膝裏を胸の方へ押された。 すると、人には見られたくない恥ずかしい部分を明るいスポットライトの下に晒される事になった。 足を閉じようとしても内股に力が入らず、腕にもカカシを押し返すほどの力がない。 「や、だっ…やめっ、ぼ、僕は進路の話をっ」 イルカの股間に顔をうずめたカカシに会陰をぺろりとひと舐めされて、腰元がびくびくと大きく波打った。 やめてほしくてカカシの髪を掴んだが、こちらの意思なんて一切カカシには伝わらなかった。 「だからぁ、イルカ先生と一緒に学食でメシ食ったりー」 「はっ、ぁ…んっ…あっ」 「サークルで手取り足取り落語を教えてもらったりー」 カカシが喋るたびに生温かい吐息が敏感な部分に掛かり、知らず知らずのうちに声が上がってしまう。 尖らせた舌でそこを舐められ、吸い付かれ、そうしているとイルカの陰茎が再び起き上がってきてしまった。 それを目聡く見つけたカカシに、膨らんだ先端をぱくりと口に咥えられ、イルカの方を見てにやりと笑い掛けられた。 今まで会陰に与えられていた唇や舌での愛撫以上にしつこい愛撫が陰茎の先端に与えられる。 「あっ、やあぁ、んっ…はあっ、あ…んっ、ぁ、あっ」 それから間を置かずに、後孔の入口を揉み込むような感触が加わった。 時折、試すように指先が中にもぐり込んでくる。 人生で初めての感触に、恐怖心からか、きゅうきゅうと入口を窄めたり緩めたりを繰り返してしまう。 陰茎から口を離したカカシに、その様子をまじまじと見つめられて、それだけで体の芯が疼くような気がした。 「すごっ…。ココに入ったら気持ち良さそう…」 「なっ、何を言って…っん」 今度はそこに舌を這わされ、本格的に指が奥まで入り込んで来た。 内壁を擦られ、中を広げるように指をぐるりと回される。 その感触に背筋がぞくぞくと震えた。 もう、それが恐怖なのか快感なのか判別が付かない。 目が潤んできて視界が滲むが、それも涙のせいなのかシャワーのせいなのかわからない。 僅かに出来た後孔の隙間から、新たな指が侵入してくる。 圧迫感が増して、そこをきゅうと締め付けてしまうと、カカシに陰茎を掴まれた。 「はっ、ぁあっ」 それを剥がそうとしてカカシの手首を掴んだが、逆に手淫を催促しているような手付きだと気付いて、ぱっと手を離した。 それならばと、カカシの頭をどかそうとして、たまたま触れた耳を掴んで引っ張ってみるが、全く効果がなかった。 「あっ!ぁ…ああっ!あっ…そこ、やだぁ!ああっ!」 奥の上辺を爪の先で引っ掻かれた時、全身に凄まじい快感が走り抜けた。 そうすると、カカシはそこばかりを狙って引っ掻いてくる。 カカシの手が陰茎から離れたが、もう何の支えがなくてもイルカのそこはしっかりと勃ち上がっていた。 隙間のない襞を抉じ開けられて更に指を増やされ、後口が引き攣るような違和感を覚えた。 しかし、それがいつの間にか快感へとすり替わっていく。 奥を引っ掻かれ、そうかと思えば3本の指を束にして出たり入ったりされて、そこを忙しなく突き荒らされる。 今にも達してしまいそうな瞬間が度々やって来ては逸らされ、それがどのくらい続いたのか、やがてカカシの手技をすっかり体が受け入るようになった頃、カカシがぽつりと呟いた。 「そろそろ大丈夫かな…」 指が一気に引き抜かれ、体を起こしたカカシに腰を抱え上げられる。 そして、指とは違った、つるりとした丸いものが後口に押し当てられた。 「はっ、あ…ぁ、はっ…んぁ…」 それがめり込むようにして中に入って来る。 指とは比べものにならないほどの質量に呼吸もままならなかった。 時間を掛けてそれが奥のあの場所に辿り着くと、あまりの心地良さに下腹部がきゅうっとなった。 「うわっ…、すごっ、くっ…!…っ、…ご、ごめんっ」 どくん、と中のカカシが一度大きく脈打ち、そこを熱いもので濡らされる感覚があった。 「あっ、あっ…」 少しだけ、中の圧迫感が減ったような気がしたが、それも、カカシが腰を前後させ始めるとすぐに元に戻ってしまった。 抜けてしまいそうなほど手前に引かれては、一気に奥まで掘り進んで来る。 「は…ぁんっ、あ!…ぁ…あっ、んんっ!」 奥に来るたびにあの場所を抉られ、きゅ、と下腹に力が入る。 カカシはそれを見計らったように絶妙のタイミングで腰を引き、イルカが余韻に浸る暇もなく、またそこを抉ってくる。 終わりのない快楽に意識が飛びそうになった時、カカシがイルカの最奥で一旦動きを止めた。 あの場所に、ぴったりとカカシの先端が当てがわれている。 「あ…あっ!あっ!やぁんっ!あっ!ああっ!」 前後する動きではなく、腰を回すようにしてぐりぐりとそこばかりを抉られて、みだりがましい声がひっきりなしに上がってしまう。 そうやって絶え間なく刺激を与えられたせいで、意識とは関係のない所でイルカの後孔が蠕動を始めた。 それに味を占めたようで、カカシが奥を集中的に抉る動きと、腰を前後させる動きとを、不規則に織り交ぜてくるようになった。 「やっ、ああっ!はっ…あ、んっ!ああんっ!」 追い上げられるままに呆気なく達し、カカシの腹と自分の腹に濃度の薄い精液を飛び散らせる。 「っ…!くぅ…!」 押さえ込んだようなカカシの呻き声と共に、また中に熱い飛沫をぶつけられるような感覚があった。 胸を上下させて呼吸を荒らげているイルカに、同じく呼吸を荒らげたカカシが覆い被さってくる。 だが、カカシの方が若いからか、すぐに呼吸を整えて上体を起こした。 まだ繋がっている部分から、シャワーの音とは違う水っぽい音がする。 その時だった。 「はたけー、いるかー?あと30分で閉門だからなー!」 戸締り当番の教師なのか、カカシの在室を確認する声が向こうの出入り口から聞こえてきた。 『居るか』という言葉がイルカを呼んでいるように聞こえて体が竦む。 プール棟にイルカが来ている事は、いのいちしか知らない事だから、そんな事はある訳がないのに。 「っ…、はいっ!もうすぐ帰りますっ!」 こんな姿を見られてしまったらどうしようとイルカが心配していると、その教師はカカシの返事を聞いて、シャワー室に入って来る事もなく校舎に戻って行ったようだった。 map ss top count
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